オフショア開発とは

オフショアとは英語のOffshoreで、「海外での」、「域外の」の意を表します。オフショア開発とは英語のOffshore Developmentで、「海外での開発」を意味し、海外（主に中国、インド等）の企業に
ソフトウェアの開発業務を委託することを指します。

オフショアの主な目的は人件費の削減ですが、中国やインドを代表とした国々では国および地方政府の政策としてIT人材育成に力を入れており、安さだけではなく、優秀な人材の供給源としても注目を集めています。

ブリッジSEとは、ブリッジシステムエンジニア（Bridge System Engineer）の意味で、オフショア開発を行うに当たって、言葉や文化が異なる両国間、両社間に立って、プロジェクトをスムーズに進める役割を担ったSEのことを指します。

発注企業に所属したり、受注企業に所属したり、または発注者でも受注者でもない第三者の企業の技術者がブリッジSEの役割を果たしたり、様々な形態が出てきています。ブリッジSEを派遣する専門会社もあります。

• 日本のビジネス習慣と文化に対する理解
• ローカル社会（例えば：中国）の価値観に対する理解
• プロジェクト管理経験
• 日本語とローカルの言葉（例えば：中国語）の会話力及びドキュメント作成力、双方を調整するコミュニケーション能力
• 双方相違点の感知力、プロジェクト問題に対する洞察力、プロジェクトを遂行する判断力と行動力
• 実務開発の経験と専門の開発スキル

オンサイト派遣とは、海外のソフトウェアベンダーの技術者が日本へ短期出張または長期滞在して、日本のお客様と一緒に開発業務に携わることです。コストについては、日本国内と変わりませんが、プロジェクトの規模によって、よく利用されるサービスです。設計段階から日本の設計者と一緒にお客様のニーズに合わせて設計を行い、海外での製造段階にスムーズに繋がっていきます。

コストの削減が確実にできる

オフショア開発の一番の魅力はコストの削減です。開発の規模とスケジュールによって差が出てきますが、確実に安くなります。開発工数が多くなることがありますが、製造単価は日本の半分以下なので、確実にコスト削減ができます。

中国オフショア開発の強み

• 高い専門性と仕事の速さ

中国のシステム開発は専門性が高く、例えば設計担当者、プログラムミング担当者、デバッグ担当者などシステム開発の各フェーズごとに分かれて作業を行っています。そのため、仕事をこなすスピードが速いです。

• 開発の規模

要員が数千人規模の会社も少なくなく、大きな案件にも対応できる力を持っています。

• 価格の国際競争力

中国オフショア開発の価格は今でも強い国際競争力を持っています。中国の人件費は上昇する傾向にありますが、オフショア開発に参入するソフトウェア企業も増えているため、近年価格は一定のレベルに維持されています。他の諸外国と比較すると、安価または同等の水準にあります。

• 日本語対応力

日本にやってきた多くの中国人留学生の帰国と、多くの日本企業の中国進出によって、中国の日本語対応力は、他の諸外国と比べて、 一歩抜きん出ています。

• 日本的ビジネス感覚

古くから文化交流が続いた日本と中国が、お互いの文化と習慣になじみやすくなっています。特に近年多くの中国技術者が来日し、実際のビジネスを経験すると同時に、多くの日系企業も中国で根付いてきました。よって中国では、日本のビジネス感覚でビジネスを行う企業が多くなっています。多発する仕様変更、高品質の要求、納期の厳守、表現の曖昧さなど、いわゆる日本的なビジネス習慣を理解し、速やかな対応ができています。

中国ソフトウェア企業の人材の定着率

若い人がキャリアアップのため、転職を繰り返す傾向が確かにあります。しかし優秀な人材は給料よりも、自分の将来性と会社のビジョンをもっとも重視しています。魅力的な会社であれば、待遇が悪くても我慢し、会社と共に高い目標を目指して頑張る人が少なくありません。一般的に順調に発展、成長している企業の人材定着率は８５～９５％と言われています。ある程度仕事の経験を積んだ中堅層の人材は、比較的安定的に定着している傾向があります。

オフショア開発のリスク

オフショア開発には情報の漏洩、品質の低下など、多くの課題も抱えていることは事実です。従って、中国のソフトウェア企業の選定、しっかりとしたプロジェクト管理、優秀なブリッジSEなどはオフショア開発の成功の重要要件となります。

ますます増える中国オフショア開発市場

日本国内において、より多くのソフトウェア関連企業がオフショア開発の魅力を認識し、オフショア開発事業を開始または拡大しようとしています。また、オフショア開発をインドなどの国で行った日本企業は、文化と言葉の違いを克服しやすい中国へ移転する傾向にあります。

一方、中国には、政府をはじめ、オフショア開発産業を経済の一つの柱として育てる戦略が立てられています。多くの都市でオフショア開発基地（ソフトウェアパーク）が建てられています。日本向けのオフショア開発の人材育成教育専門機関も出ています。多くのソフトウェア企業がオフショア開発力を強化し、市場の拡大を目指しています。